スピリット(霊)
それは無数に現れる小さな玉のようで
複雑なパターンを織りなしていました
沸騰しているお湯の中に見られる空気の玉のようにも見えました
数えられない程、次から次へと無限に現れていました
<ねえ、月について何か話してよ
ある日、静かに座っていると
空は暗く青く、風は強く、地面は固く、月の光は冷たく灯っていました
私は、育ち行く杉の木ように、固く湿った地に根を張り、体を上に引き延ばし、柔らかい枝を勢い良く差し伸ばしました、
夜の風に吹かれて揺れ続けながら
それはとどまることを知らず、どの山よりも高く私は空の上に伸びて行きました
すると何か小さく素早いものが急に現れて私の上を駆け上って行きました
どんどん木の上をつたって、それはちょうど一番上の枝が届いた月の上に駆け上がりました
その小さく素早いものをあなたはウサギと呼びました
だから月にはウサギが住んでいるんだよ
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